この記事では、乳児期のモンテッソーリ教育における7つの教育環境について説明しています。
☑ 赤ちゃん~乳児の一番吸収する時期を逃したくない方
☑ どんな活動をすればよいか迷っている方
☑ モンテッソーリ教育について理解を深めたい方
0~3歳は一番伸びる時期!
環境を整えて、ぐんぐん吸収させてあげよう♪
モンテッソーリ教育 7つの環境
モンテッソーリ教育では、0~3歳向けに7つの環境が用意されます。
それぞれ、下で詳しく説明していきましょう。
その前に・・・
そもそもモンテッソーリ教育がどんなものか知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
また、3~6歳向けには5つの教育分野があります。
5つの教育分野を意識するのは0~3歳からでも有意義です。
こちらで記事にしていますので、よければご一読ください。
それでは、0~3歳の7つの環境をご紹介していきます。
粗大運動の活動
粗大運動の活動とは、全身を使った大きな動きのことです。
モンテッソーリ教育でいう『粗大運動』は主に足の発達をうながすもので、ずりばいから歩行までの運動能力を得ることを目的としています。
動作としては、立つ・歩く・階段の上り下りなどがあります。
ただし、早く歩き始めさせようという意味ではありません。
ずりばい → ハイハイ → つかまり立ち → つかまり歩き → 歩行
この一つ一つをしっかりと経験し、体幹と感覚を鍛えることが重要です。
私たち親にできるのは、今のステップを思う存分やりきる環境を整えてあげること。
それから、次のステップがあることを知らせて導いてあげることです。
親のサポートとして、たとえば。
- ずりばいのしはじめに、少しだけ離れたところでおもちゃを揺らして興味をひく。
- 歩くことができるようになったら、低めの乗り越えられるものを近くに置き、親がまず乗り越えてみせる。
などなど…
たのしい!もっとやりたい!!
(と思わせられたら成功です♪)
微細運動の活動
微細運動の活動とは、主に手指を動かすことです。
「粗大運動の活動」で足の発達が進むと、今度は手指の細かい動きに繋がっていきます。
ここでは、手指を動かす能力の向上を目指していきます。
具体的に言うとこのような活動です。
- にぎる
- つまむ
- たたく
- 落とす
などなど…
さて、突然ですがここでクイズです!
微細運動を通して、子どもたちはもうひとつ大切なものを獲得していきます。
一体なんでしょう?
夢中で活動をしているとき、子どもたちはじっとその教具や動作を見ますよね。
そう、集中しているということです。
微細運動をすることで、子どもたちは集中力も同時につちかっていくのです。
日常生活の練習
日常生活の練習とは、日常の活動の練習です。
この活動は、粗大運動と微細運動があわさったものになります。
具体的に言うとこのようなものです。
- 物をはこぶ
- 衣服の着脱
- はさみで切る
- 手を洗う
- 水をそそぐ
- 挨拶
などなど…
赤ちゃんとはいえ、共同生活をする一員です。
「自分でできた!」という経験を増やしていきましょう。
落としたものは自分で拾ってゴミ箱へ。
水をこぼしたら自分で拭く。
そういう小さなことからで大丈夫です。
日常生活の練習で大切なのは、子どものサイズにあわせたものを用意してあげること。
掃除をする際のぞうきんや水をそそぐピッチャーなど、子どもの手にあったサイズ・重さを用意して、環境を整えてあげてください。
小さい雑巾でもむずかしい場合は、小さいミトンでもよいと思います。
言語教育
言語教育は、話す・読む・書くという ことばに対する教育です。
モンテッソーリ教育において、言語を習得する順番はこのようになっています。
聞く → 話す → 書く → 読む
そこから品詞の役割や文法に進んでいきます。
0~3歳に敏感期が来ることが多いのは、「聞く」「話す」の部分です。
ここで話しことばが発達していきます。
活動・教具にはこのようなものがあります。
- 日常会話
- 絵本の読み聞かせ
- てあそび(同時に手指の訓練にもなります)
- 絵カード
- 砂文字板、溝掘り文字板
などなど…
0~3歳の時期に周囲にある言葉を『母語』として吸収していきます。
反応がない時期から積極的に話しかけてあげてください。
話しかける内容は「いいお天気だね」「ミルクを持ってきたよ」「足がバタバタ動いてるね」など実況中継がおすすめです。
感覚教育
感覚教育とは、感覚器官を意識して使う活動のことです。
感覚器官はご存じのとおり五感。下記の5つの感覚です。
- 視覚 …見る
- 聴覚 …聞く
- 触覚 …触る
- 味覚 …味を感じる
- 嗅覚 …匂い
3歳をすぎた子どもは五感を通して吸収したことを秩序立てて整理します。
それに対して0~3歳の感覚の敏感期は、五感を通して無意識に吸収していく時期にあたります。
具体的に言うとこのような活動があります。
- 視覚(揺れるカーテンを見る、親の顔をじっと見る)
- 聴覚(人が話す声を聞く、さまざまな音を聞く)
- 触覚(野菜や果物をさわる、さまざまな質感の布をさわる)
- 味覚(さまざまな味をあじわう)
- 嗅覚(さまざまなにおいをかぐ)
たとえば、【バナナを自分でむき、バターナイフでひとくち大に切って、食べる】。
この一連の動作も、本物を触りながら自分でやることが、大事な経験となります。
本物に触れさせること
たくさんの体験をさせること
ぜひこの2つを意識してみてください。
音楽
音楽はそのままの意味で、歌や楽器、踊ることなどを指します。
音楽には、このような活動・教具が用意されます。
- 静けさの体験
- 雑音筒(音の強さ)
- 音感ベル(音の高低)
- リトミック
音楽は世界中どこにでもあり、大人も子どももだれもが楽しめるものです。
小さいころから音に親しみ、深く理解し、自由に音楽を楽しめるようになってほしいですね。
美術
美術は、絵を描いたり、創作をしたり、芸術を楽しんだりすることです。
音楽・美術を含め、芸術は【ことば以外の方法で自己を表現する手段】です。
日本の教育では算数や国語などが重視されがちですが、芸術を尊重し、幼少期から積極的に触れていくことで、人間としての深みも増していきます。
具体的に言うと、このようなものがあります。
- フィンガーペイント
- 粘土
- クレヨン、絵の具などで絵を描く
- 絵画や創作物の鑑賞
など
モンテッソーリ教育では、絵のうまい下手よりも『自己表現することの尊さ』を重視します。
私も言ってしまいがちなのですが、「上手にかけたね」「何を描いたの?」の声かけは『上手に描かなくてはいけない』『意味のあるものを描かなくてはいけない』という刷り込みをしてしまいます。
「力強い線だね」「楽しそうだね」などの声かけを心がけています
まとめ
ここまでご紹介した通り、モンテッソーリ教育には7つの環境があります。
粗大運動の活動
足の発達をうながす。体全体を使った活動。
微細運動の活動
手指の発達をうながす。つかむ、落とすなどの活動。
日常生活の練習
粗大運動と微細運動をあわせた活動。生活の動作の練習。
言語教育
言語、おもに話しことばの吸収・発達。
感覚教育
たくさんの本物に触れ、五感を使って感覚をやしなう。
音楽
静寂と、音の強弱や高低を知る。音楽をたのしむ。
美術
言語以外での自己表現をたのしむ。
3歳まではぐんぐん吸収する天才期です!
いろんなものに触れさせてあげたいですね
以上、モンテッソーリ 7つの教育環境についての記事でした。
お読みいただきありがとうございました!